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聖学院大学
人間福祉学部教授
医学博士 松村豪一
ホスピスとの出会い
更新日 2007/05/01
ホスピスにおける人格的医療
更新日 2007/06/07
ホスピスのルーツと現状および実体験から
更新日 2007/07/13
第4回
マザー・テレサが取り組んだホスピス、ホスピス誕生の理由と現状
更新日 2007/08/24
ガンに冒された友人の闘いぶり
更新日 2007/09/14
ホスピスのこれから
更新日 2008/02/01
聖学院大学人間福祉学部教授で医学博士の松村豪一先生による連載コラム開始!
「ホスピス」をテーマに全6回連載でお送りします。
第4回目はマザーテレサが取り組んだホスピスと、ホスピス誕生の理由についてです。
第4回 マザー・テレサが取り組んだホスピス、
ホスピス誕生の理由と現状
更新日 2007/08/24
マザー・テレサがノーベル平和賞を授与されたことは皆さんご存知のことと思います。
しかし、なぜ授与されたのか、その取り組みはあまり知られていないようです。
テレサは、カルカッタの中でも一番貧しい人(家も家族も無く、路上で飢えのため死んでいく人)への特別な献身を実践しました。
貧しさのため救急車にも乗せてもらえず、病院にも運んでもらえない、どこにも収容してもらえない臨死状態の人を、テレサは「死を待つ人の家」に連れて帰りました。そして、身体が衰弱したことによりできた床ずれを手当てし、清拭(身体を拭くこと)や食事の介助などを行い、また、死に対する不安を取り除くため、励ましや慰めを与えました。
身寄りも無く、誰にも相手にしてもらえないため、通常なら一人寂しく死んでいく哀れな存在の一人一人に対して、テレサは、死を迎える時くらい、たとえどんなに貧しくても、手厚く、且つ暖かい心で世話をし、本人が人間の尊厳と人格を持ち、真の安らぎを得た人として息を引き取ることができるようにお世話したのです。
これがまさしくマザー・テレサが取り組んだホスピスそのものです。
ホスピスが誕生するには次のような理由がありました。
これまでの医療は、治癒させることに専念するあまり、治癒できない場合の対応がほとんど考えられておらず、治癒できなければ延命策を講ずるという図式が連綿と続けられていました。
なぜなら「検査・診断・治癒・延命」という4つの働きが近代病院の目的と考えられてきたからです。
しかし、検査を受けた時にはガンがかなり進行していて、手術不可能な手遅れの状態にある患者さんの場合、上記4つの流れの中で対応するには限界があります。
このような状況下におかれた患者さんの痛みや不安を何とかやわらげてあげたい・・・
この考え方を本格的に実践したのが1967年英国にできたセント・クリストファー・ホスピスです。
現在わが国における施設で受けるホスピス・ケアについては「その人がその人らしい生をまっとうすることができるように援助する事」(※1)と考えられています。もう少し詳しく述べますと、「患者さんが家にいる時と同じように、充分にその人らしさを大切にしながら生活できる場所。そして、自由に家族と過ごすことができる場所。なおかつ、専門家やボランティアが周りにいて、何か必要があるときにはいつでもサポートを受ける場所」(※1)ということになります。時には、家族同然だった犬や猫と一緒の生活を認めてもらえる施設もあるのです。
(※1) 『ホスピスってなあに?-困っているあなたのために―』(NHK厚生文化事業団発行、ホスピス緩和ケア協会編集)
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