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どうしてすぐに入院させてくれないの?
東原医院
院長 東原繁樹
更新日 2008/03/14
どうしてすぐに入院させてくれないの?
東原医院 院長 東原繁樹
今回のコラムでは、Q&A形式で、「どうしてすぐに入院させてくれないの?」をテーマに、それぞれの病気と入院との関係などについてお話します。
Q1 父親がアル中で、酒を飲んでは暴れて困っている。どこか入院させてくれる所はないの?
本人が入院する気にならないと、難しい。
Q2 きのうは一晩中暴れていて、大声を出して窓ガラスを割るし、警察の人に来てもらった。入院を頼んだけれど、病院に相談するように言われた。
すぐに暴力をふるうし、入院の説得なんてとても無理。何か強制入院みたいな方法はないの?
いくら家で暴れたり、家族に暴力をふるったりしても、本人の意志に反して強制的に入院させるのは難しい。
他人に暴力をふるったり、他人の物を壊したりしたら、強制入院の道も開けるかもしれないけれど、家の中だけではどうしようもない。
Q3 この前はかなり酔って、家族が止めるのをふりきって車を運転し、ガードレールに車をぶつけて帰って来ている。もし、他人をひいたりしたらと思うと、心配で夜も眠れない。
家族が本当に困っているのはよくわかるけれど、強制入院には一定の手続きが必要。本人がいやがるのを家から引きずり出し、病院まで無理やり連れて行って、本人の意志に反して鍵のかかる病棟に入院させるには、やはりそれだけのことをやるきちんとした要件を満たさないといけない。
Q4 家族ももう限界にきているので、こちらから病院に頼んで、迎えに来てもらって、本人をなんとか入院させてもらうことはできないの?
完全なアル中で治療が必要なことはわかるけれど、強制入院は人権侵害にも関わってくる問題なので、どこの病院もわざわざ家まで迎えには行かない。
Q5 じゃあ、家族はどうしたらいいの?
一つの方法はなんとか病院の外来まで連れて行くこと。他の病気でも、外来まで連れて行くと、専門医が判断して、本人が入院をいやがっても、なんとか入院させてくれることもある。
ただ、アルコール依存や薬物依存の場合は本人が断固として入院を拒否した場合は難しい。
Q6 あちこちの病院に問い合わせをしてみたら、アル中の人は扱っていませんという病院が多いけれど、どうしてなの?
アル中の人は酔いが醒めたら、普通の人と変わりないので、文句やへ理屈ばかりが多く、精神科病棟での扱いが難しい。薬物依存の人もそうだが、他の患者さんを脅したり、タバコやお金をまきあげたりするなどトラブルも多い。開放病棟に出したりすると、隠れて酒を飲んできたりすることもある。入院している時には酒はやめられるけれど、退院したらまたすぐもとの木阿弥になりやすいので、単なる収容だけの治療的意味のない入院は嫌うところが多い。
Q7 今入院している人というのはどうやって入院できたの?
よくあるのが、内科病棟に入院している時に酒が飲めず、禁断症状が出てくる場合。禁断症状というのは、単に手がふるえるだけでなく、離脱せん妄といって、夜間に夢と現実が入り混じって大暴れをしたりする。この場合は内科から精神科の専門病院に転院になったりする。自宅でも離脱せん妄が出た場合も、そのまま入院になることもある。他には、飲みすぎて身体が衰弱した場合など、とにかく本人がしっかりと入院拒否ができない時が多い。それでも、まず受け入れてくれる病院を見つけださないといけない。
Q8 アルコールや薬物依存以外に入院が難しい病気は他に何があるの?
最近多いのは痴呆の患者さんで、いろいろとトラブルを起こす人。痴呆病棟のあるところは受け入れてくれるけれど、どこも満床で、部屋がなかなかあかない。痴呆の患者さんはいくら精神状態が悪くても精神科の一般病棟にはなかなか入院させてくれない。
どうしてかというと、精神科の病棟は本来は統合失調症などの患者さんのために作られている。痴呆の患者さんを入院させると退院ができず、すぐに部屋が動かなくなってしまう。
他にも自傷行為を繰り返す境界性人格障害などの患者さんも難しい。入院してもあまり治療効果はあがらず、病棟の中でスタッフとのトラブルも多い。

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