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性格が暗いのは親のせい?
東原医院
院長 東原繁樹
更新日 2007/12/07
性格が暗いのは親のせい?
東原医院 院長 東原繁樹
今回のコラムでは、Q&A形式で、「性格が暗いのは親のせい?」をテーマに、親の育て方が子どもの性格に与える影響についてお話しします。
Q1 学校でもアルバイトでも人とすぐなじめないけれど、これは親の育て方が悪かったからなの? 特に年上の男性は苦手。
人に気を使いすぎてうまいことしゃべれなかったり、ちょっとした言葉で傷つきやすかったりするのは、性格で仕方ないと思いやすいけれど、ある程度その成り立ちを知ることは役に立つ。
Q2 そもそも今もっている私の性格と親の育て方というのは関係あるの?
関係はあるけれど、すべてが親の育て方のせいでもない。
Q3 じゃあ、具体的にはどう考えたらいいの?
例えば、赤ん坊が生まれてきた時には、この世の中のことなんか右も左もわからない白紙の状態と考えられる。
この白紙の状態にいろいろなことを書き込んでいくのが、母親の役目になる。この世で最初に出会うのが母親で、何もわからない時にほとんどの時間を接しているのも母親なので、その母親の価値観やものの見方がどうしてもその内容として白紙に書き込まれていく。
Q4 父親はお酒を飲むと怒りっぽくなって、大声で怒鳴ったりするけど、これは関係ないの?
白紙に書き込んでいくのは母親だけれども、母親をとりまく環境も影響する。
例えば、父親が浮気をしていて生活費も入れてくれなかったら、母親としても心にゆとりがなくなり、子育てもうまくいかなくなる。生まれてきたばかりの赤ん坊は、ただそこにいるだけで自分は世界から受け入れられているという感覚が身につくことが大事なんだ。
Q5 生まれてきた子どもにもいろいろな性格があると思うけれど?
もちろん生まれつき人なつっこい赤ん坊から、神経の過敏な子までいろいろある。白紙の状態でも、書き込まれる白紙そのものはみな同じではない。書き込まれる内容はすべて残ってしまうしまう紙から、なかなか書き込まれない紙や、紙との相性によって内容によっては書き込まれやすかったり、すぐに消えてしまったりする。
Q6今話題になっている虐待の場合はどうなるの?
いつもわけもわからず殴られたり蹴られたりして育ったら、その子にとっては自分を取り巻く世界は脅威的で、敵意に満ちていると感じてしまう。物心がついてきても、父親が単なるアル中でただ機嫌が悪くて殴ったりすることも、最初に出会う世界が家族なので、世間一般と比べて客観的に判断することはできない。
だから、殴られる時は、「靴をそろえてない」とか「ごはんをこぼした」とかもっともらしい理由をつけられるので、子どもは自分が悪い子だと信じ込んで常に罪悪感を抱き、世界から受け入れてもらえないと考えてしまう。
Q7母親に余裕がなくなると、どうなるの?
母親自身が不安定だと、子どもがこの世で出会う世界も不安定になる。また、母親が育児に必要な愛情を、甘やかしすぎると考えたり、もともと手間ひまのかかる育児に専念できなかったりすると、子どもは無条件で世界から受け入れられているという感覚が育たない。特に上昇志向の強い母親が、愛情と子どもの成績を直接リンクしてしまうと、子どもはいつもトップでなければいけないと感じてしまう。
Q8上司から強く叱られたりすると、すごく自分を責めたり、いやな気持ちになるけれど?
小さい頃から繰り返し父親に理不尽に怒られていたり、言い返すことができなかったりすると、その時の感情は条件反射のように作られてしまう。
自責感や無力感、怒りや悲しみなどの感情が、父親とは全く関係のない上司の人に怒られただけで、条件反射のようにわき起こってしまう。本人もわけもわからず嫌な感情に圧倒されてしまうけれど、父親と上司はまったく別人で、必要以上に自分を責めることはないと意識的に自分に言いきかせることが大事。
Q9 そんなことで自分が変えられるの?
まったくわけもわからずわき起こってくる嫌な感情にそのまま振り回されるのではなく、その成り立ちを知り、ちょっと待てよと自分にくさびを入れることが役に立つ。
小さな頃に組み込まれたプログラムは、嫌な感情であれ、母親の偏った価値観であれ、いろいろな場面でコンピューターのように自動的にたち上がってしまうので、そのプログラムを意識的に修正していかなければならない。なかなかうまくいかない時には、そのプログラムを解除する専門的な方法も工夫されている。
Q10 なかなか人に頼めない性格はこれも両親の影響があるの?
もともと引っ込み思案な性格の場合もあるけれど、親の期待が大きすぎたり、恩着せがましく育てられている場合には、人に頼めなくなるし、人の親切も負担になってしまう。本来子育ては無条件の愛が基本になるけれど、そうでない場合には、何かしてもらったらその何倍も返さなければならないという心の負担が身についてしまう。
また、母親が父親に上手に甘えて、いろいろなことを頼める家庭で育つと、子どもも自然と頼むことができるようになる。反対に、家庭で気楽には頼めないタブーが支配していると、子どもは頼むことに抵抗を覚えるようになる。両親に上手に甘えたり頼んだりした経験がなかったら、やはり他人にも頼んだりすることはできにくい。

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